2013-02-05

防犯カメラが監視カメラとなり、あなたをじっと見つめている


アメリカでも、イギリスでも、中国でも、日本でも、先進国では都市部を中心として、急速な勢いで防犯カメラが設置され、すでにこれが「国民監視網」として作動している。

犯罪が起きれば、必ず防犯カメラが犯人を捕らえた写真が出てくるようになっている。

英米ではこの防犯カメラと「顔認識ソフトウェア」がリンクして、誰がどこにいたのか、あるいは現在どこにいるのか、たちどころに分かる仕組みが構築されつつある。

一部では、すでに稼働しているとも言われている。

「顔認識ソフトウェア」は技術的にはすでに可能になっているし、商業のソフトウェアやサービスでもこれを使ったものがいくつかある。

グーグル社やフェイスブック社やアップル社が、一部のアプリケーションやサービスにも組み込んでいるので、気がついている人もいるはずだ。


間違いなく、「いつも誰かに見られている」


写真から顔を認識し、それをサーチし、人物を特定することができるのである。

2010年にはドイツ政府が、フェイスブックの「顔認識データベース」を猛烈に批判していた。

2012年にはこれがEU全体に拡大して、欧州ユーザー向けの顔認識の機能を無効にしている。

日本ではどうか。もちろん、この顔認証技術がついていて、自動的にオンにされている。

こういった顔認識技術は、パソコンやスマートフォンの「便利なサービス」で使われるだけでも薄気味悪い。

これが街中に存在する防犯カメラとリンクされれば、強烈な国民監視の道具となり、薄気味悪いで済む問題ではない。あなたがどこにいても、すべて特定されるのである。

東京で言えば、歌舞伎町は死角がないほど防犯カメラだらけだと言われている。ここで撮られた映像は、すべて警視庁に送られて分析されている。

これによって確かに犯罪者を特定できるのは間違いないが、同時に歌舞伎町を「たまたま歩いていた人」をも、同時に特定できるということになる。

街中の防犯カメラと、この顔認証技術は、日本を含め、先進国ではすでにリンクされている可能性がある。

オウム真理教元幹部の平田信容疑者が出頭前の写真を防犯カメラで撮られていた。

数十万人が行き来する品川駅の雑踏の中から、警察はちゃんと特定の人物を防犯カメラの中から探し出せているのだ。そのことに気がつかなければならない。

すでに日本には防犯カメラが350万台近く稼働している。あなたは、間違いなく「いつも誰かに見られている」のである。

気配はないが、それは確かに存在する。防犯カメラという「眼」が張り巡らされているのだ。


防犯カメラの平田信

防犯カメラが、やがて監視カメラに


警察組織が本格的に防犯カメラ網からの捜査をスタートさせたのは2012年4月からだと言われている。警察庁刑事部の捜査支援分析センターに分析捜査班(モバイルチーム)というものが設置されている。

このチームが事件が起きたらこのチームが防犯カメラや現場に残されていたハイテク機器(PCや携帯電話)の情報を解析する。

2012年5月21日夕方に渋谷駅で男性が刃物で刺された事件でも、犯人の逃走経路はこの分析捜査班が120台の防犯カメラを解析して犯人逮捕に結びついている。

防犯カメラは非常に有力な「情報源」となり得る。だから、歌舞伎町に設置された防犯カメラ網は、池袋や渋谷と言った場所にも拡大設置されることになっている。

しかし、こういった監視網を待たなくても、コンビニや銀行店内では、入ってきた客をすべて防犯カメラに撮しており、事実上、防犯カメラによる監視網はかなりの精度のものが完成していると見ていい。

オウム残党の高橋克也も、逃亡中に銀行に寄っていたが、その時の写真は防犯カメラに撮られていた。

今では主要道路、大手スーパーでも防犯カメラが設置されていないことのほうが珍しい。設置されていない店は、「防犯のために導入するよう」に警察によって指導を受ける。

私たちがほとんど気にしないところで、こういった監視システムは防犯の名目でどんどん取り付けられている。

やがてこの「防犯カメラ」がインターネットのようにすべてネットワーク化すると「監視カメラ」になる。

ちなみに、防犯カメラのネットワーク化は数年前から加速していて、現在の防犯カメラはIP機能が内蔵されていて直接ルータを介してインターネット網につながる。

動画を保管する大容量記憶装置も整備されつつあるし、顔認識システムも完成しているのだから、防犯カメラがいつの間にか監視カメラになる素地は整っている。

この看板にも監視カメラが付けられているという。

複数のカメラがあなたを見つめている


防犯カメラは犯罪の抑止や、犯人逮捕の強力な武器になる。だから、「ある程度は許容すべき」という意見は当然ある。

少女が変質者に狙われないために、通学路に防犯カメラを設置して監視してくれるのは悪いことではないという意見も多い。

物事には裏と表があるように、技術にも表と裏があって、どんな技術にも大きなメリットがデメリットを凌駕することがある。だから、防犯カメラが一概に絶対悪いとは誰にも言えない。

事実、犯罪者の特定に役になっているし、街の浄化にもある程度役に立っているのは誰にも否定できない。

しかし、これが「防犯」という部分から逸脱して「監視」の領域に入っていくと、一気に防犯カメラのデメリットが顕在化していくことになる。

防犯カメラに顔認識ソフトウェアが結びつき、国民がどこで何をやっていたのかすべてを把握することができるようになり、すべての人間のプライバシーを意図的に侵害することも可能になるのである。

その結果、何が起きるのか。

たとえば、権力を持つ人間が「自分たちに都合の悪い人間」を、意図的に監視するような危険が起こり得る。

そして、監視対象の人間が信号無視したとか、タバコをポイ捨てしたというような、ほんの些細な行為を元に逮捕することが技術的にできるようになる。

不品行な場所に出入りしていたとか、不倫していたとか、そういったこともすべて証拠付きの動画と共に暴かれる人も出てくるかもしれない。

そうすると、政権批判、反原発運動、反戦運動、TPP反対等に関わっている「為政者にとって危険な人間」は、意図的に監視下に入れられるかもしれないのである。

今日、銀行やコンビニに行ったとき、天井を見上げて見ればいい。複数のカメラがじっとあなたを見つめているはずだ。

あなたはカメラの向こう側の人間を見ることができないが、カメラの向こう側の人間は、あなたの行動をすべて知っている。



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