2012-12-13

あなたは気がつかないうちに、衆愚政策で奴隷にされている


かつて「奴隷」と呼ばれる人間が存在していたことは誰でも知っている。

1863年にはアメリカのリンカーン大統領は奴隷解放宣言をし、1940年代には欧米諸国は次々と植民地を手放し、1960年代には公民権運動が起きて、「奴隷」という存在は先進国から完全に消えていった。

そのように見える。

しかし、それは表向きの話で、本当はその裏側で知らずして人間を奴隷化する方向に暴走しているのに気がついている人はいるだろうか。

あからさまに見て分かる奴隷は消滅した。しかし、奴隷になっていることすらも気がつかない奴隷が、今まさに出現している。

「一見自由を与えられているように見える。奴隷に見えない。しかし、実は奴隷だった」

もしかしたら、あなたも知らないうちに奴隷化されているかもしれない。まさかと思うかも知れないが、嘘ではない。あなたは、もう手遅れかもしれない。


部外者は分かるが、当事者は分からない


そもそも、自分が奴隷化しているのに分からないということはあり得るのだろうか。

もちろん、あり得る。あり得るどころか、「奴隷化されていることに気がつかない」という状況は普通に観察することができる。

たとえば、北朝鮮だ。

北朝鮮の国民は自由に情報にアクセスすることができない。情報は規制されており、政府が一方的に流す情報を信じるように強制されている。

体制に疑問を持ったり、体制に反対すると、たちどころに逮捕されて強制収容所に送られて拷問される。だから、国民は生きていくために体制に服従し、自ら奴隷化せざるを得ない。

体制に対しては奴隷になることが、北朝鮮では生きていくために必要な技能である。

私たちは部外者なので、北朝鮮の国民が奴隷化されていることは分かるが、北朝鮮の国民が全員それを自覚しているかというと、恐らく自分が奴隷化されていることに気がついていない。

子供の頃から体制に従順であることが当たり前になると、それが世界のすべてだから、分からないのである。部外者は分かるが、当事者は分からない。

生まれたときから金日成・金正日・金正恩という一族を崇拝することを強制され、搾取されるのが当たり前になっている。

当たり前だからそれを受け入れており、その結果、自分の置かれている奴隷的な立場が見えなくなってしまう。

情報を与えない。教育を与えない。


ラオスという国はご存知だろうか。タイの隣国であり、ベトナム・カンボジアと共に共産主義国になった目立たない国家だ。

この国の国民は大半が農民で、教育を受けることについては政府からわざと奨励されないまま放置されている。その結果、まともな教育機関もないし、町には本屋すらない。

「国民を考えさせない」ことによって、政府に反旗を翻す人間を出さないようにしているのである。つまり、意図的な「衆愚政策」を取っている。

実は、この「衆愚政策」というのは、人間を奴隷化するための体制側の「戦略」である。

北朝鮮では情報を完全封鎖し、体制側に都合の良い情報を一方的に流すことによって「衆愚政策」を推し進めている。

中国も情報を厳しく規制しているが、それは体制に不利な情報を隠して、都合の良い情報だけを流すことによって国民をコントロールするためであり、紛れもない「衆愚政策」を行っていると言える。

情報を与えない。
教育を与えない。

それは非常に原始的で分かりやすい「衆愚政策」であり、昔から奴隷を奴隷という身分に固定化するために使われていた手段だ。

インドでもダリット(不可触民)という「人間ではない」と呼び捨てられている人たちがいて、彼らは安い労働にこき使われているのだが、そんな彼らはまさにインドの「奴隷」だった。

このダリットは激しい差別を受けているのだが、その差別のひとつとして「教育を与えない」というものがある。なぜ教育を与えないのか。

考えると自らの立場を「知る」ことになる。そうすると、おかしいことに「気づく」。そうすると「反抗心」が芽生える。そうすると、現状を変えようと「立ち上がる」人間が出てくる。

そうなると奴隷状態に置かれていた人間が次々と「目が覚めて」しまって、奴隷制が維持できなくなる。だから、教育を与えず、「衆愚政策」をするのである。

言われたことだけをロボットのように行う人間


アフガニスタンでは女性が教育を受けようとすると命を狙われる。学校が襲われて飲み水に毒を入れられたり、学校に通う女学生が撃たれたりする。

女性に教育を与えない。なぜなら、教育を受けることによって女性が目覚め、自分たちが抑圧されていることに気がつき、現状を変えようと立ち上がる人間が出てくるからだ。

イスラムを「おかしい」という女性が出てくる。

だから、女性には教育を与えず、考えることすらも禁じて現状が当たり前だと思わせておくのである。

私たちは部外者なので、イスラム国家の女性が奴隷化されていることは分かる。しかし、当のイスラム女性たちは、自分が奴隷化されていることに気がついていない。

子供の頃からイスラムに従順であることが当たり前になると、それが世界のすべてだから、自分が奴隷化されていることが分からないのである。部外者は分かるが、当事者は分からない。

だから、「衆愚政策」というのは、体制にとって非常に重要であることが分かる。

教育は一部の人間、すなわち体制側の人間や為政者やエリートだけが受けていればいいのであって、一般大衆は「言われたことだけをロボットのように行う人間」であることが望ましい。

いちいち、何かを考えて、体制側のシステムに立ち向かって反旗を翻すような人間が増えるのは、望んでいないし、そんな人間が出ないようにしたいと考えている。



アフガンで女性が教育を受けるのは命がけだ。

もう、国民に教育を与えなくてもよくなった


あなたは、もしかしたら、こんな途上国や宗教原理主義の国に生まれなくて良かったと思っているかもしれない。あるいは、日本のように、何でも自由な国で生まれて良かったと胸を撫で下ろしているかもしれない。

本当に、そうだろうか?

イギリスの産業革命以降、先進国社会では国民に教育を与えることによって、他国よりも経済的競争力がついた。だから、為政者は他国よりも有利になるために、国民に対して教育を促進していた。

教育がつけば、より複雑な工業製品が作れるようになり、それが社会に恵みをもたらした。

そして、国が豊かになれば、自分たちも豊かになる。だから、国民に教育を与えるにはすばらしいメリットを享受する施策であった。その流れはずっと続いて来た。

しかし、もう状況が変わった。

なぜなら、グローバル経済が加速化していったからだ。グローバル経済が加速化していくと、仕事がコストの安い国に流れるようになる。

国民に教育を与えなくても、仕事のアウトソーシングによって経済的な優位性を保つことができる。そうすると、先進国の為政者は、別に国民に教育を促進する意味がない。

先進国では、国民に教育を受けさせるメリットが消失してしまったのである。むしろ、逆に教育を与えることによって、国民が為政者に刃向かってくるデメリットのほうが大きくなっている。

しかし、一気に教育を奪うと、それこそ反旗を翻す人間が増える。そこで、先進国特有の「衆愚政策」が行われるようになっている。

先進国特有の「衆愚政策」とは何か。それは以下のようなものだ。

結果的には完全なる無教育の状態にしてしまう


教育を与えているように見えて、それを上回る娯楽を規制せずにどんどん流し込む。そして、無理に教育を受けなくてもいいという空気を作り出す。

具体的には、以下のような「衆愚政策」を推し進める。

・学校をレジャー化させ、教育しない。
・考え方、行動、服装を画一化させる。
・与えられた規則を疑問に思わない体質にする。
・テレビ・映画・映像に浸らせて考えさせない。
・スポーツ観戦に夢中にさせて考えさせない。
・セックス・ポルノに夢中にさせて考えさせない。
・ゲームに夢中にさせて考えさせない。
・ギャンブルを与えて夢中にさせて考えさせない。
・本を読ませて考えさせない。

これによって、教育を受けているように見えて、実は教育をすべて打ち消して、結果的には完全なる無教育の状態にしてしまうのである。

「考えさせない」環境をどんどん作り出して、教育を劣化させ、結果的に無教育の奴隷化を推し進める。

この愚民化の風潮は止めることができるものだが、社会的にはまったく止められる兆候もなく、むしろ加速させられている。学校が衆愚政策によって学力低下を強化されている。

自然にそうなったのではない。学力低下、愚民の方向に固定化されている。

その結果、自分で何も判断できない多くの「マニュアル人間」が生まれているのも、よく知られるようになった。

マニュアルにしたがって、その通りに生きようとする行動様式は、「他人に与えられた情報に沿って動く」という意味で、充分に奴隷の要素が強い。

しかし、本人はそれが「奴隷」であるとは思っていないので、充分に奴隷化しているのに気がつかない。

子供の頃からマニュアルや規則に従順であることが当たり前になると、それが世界のすべてだから、自分が奴隷化されていることが分からないのである。部外者は分かるが、当事者は分からない。

かつて「奴隷」と呼ばれる人間が存在していたことは誰でも知っている。今はもう奴隷は存在しないと先進国の人間は考えている。

しかし、奴隷になっていることすらも気がつかない奴隷が、今まさに出現している。

「一見自由を与えられているように見える。奴隷に見えない。しかし、実は奴隷だった」

あなたは気がつかないうちに、衆愚政策で奴隷にされている。まさかと思うかも知れないが、嘘ではない。場合によっては、あなたは、もう手遅れかもしれない。



一見教育を受けているように見えて、すべてそれを打ち消す衆愚政策。先進国で起きている衆愚政策で、人は体制の奴隷になっていく。

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