2012-06-08

給料は遅延、国は無策、自殺者多発。ギリシャの地獄と日本


あなたが1ヶ月働いて給料日に給料が振り込まれていなかったらどうするだろうか。もし、2ヶ月も3ヶ月も給料が振り込まれなかったら? 半年も給料が払われなかったら?

あるいは給料をもらう前に会社がつぶれ、社長が夜逃げしていたら?

今、まさにこの瞬間、それが起きているのがギリシャである。ウォール・ストリート・ジャーナルによると、ギリシャの民間部門契約従業員200万人のうち、4分の1にあたる人数40万〜50万人が、もう3ヶ月以上も給料をもらえていないと報告している。

生活のために必死で働いても、「金をもらえない」のが今のギリシャの現状なのである。


国から企業から国民まで、すべてが「万事休す」


これは、実は国家が崩壊する前には顕著に見られる現象だ。国家破綻寸前だったロシアでも、国家公務員や軍隊に給料が支払われず、困窮した人が会社のものを勝手に売りさばくような現象が起きていた。

軍人も生きていけないので、武器・弾薬から機密情報まで、それこそ売れるものは何でも売っていた。

メキシコでも国家破綻の前には国営企業が倒産寸前になっていて給料の遅延が起きて暴動が発生していた。これはアルゼンチンでもそうだ。ブラジルでも同じことが起きた。

国が破綻する前夜、もうすでに国民は働いても給料がもらえず、経済活動が極端なまでに落ち込んで、それが国を自壊させていくことになるのである。

2012年に入ってから、いよいよギリシャの国民が本当に切羽詰まった状態になり始めた。

ギリシャ当局者によると、今年に入ってから、給料の遅延が目に見えて激増していて、特に中小企業のダメージは非常に大きなものがあるということだ。

給料がもらえないのであれば、個人は借金の支払いも、公共料金の支払いも、そして家賃の支払いも、すべてができなくなる。一番、支払えないのは「税金」だ。

それらはすべてストップして、政府も困窮する。そもそも、ギリシャは財源をすべて使い果たしていて、ユーロから金を借りていて、それを「返せ」と言われている身である。

国から企業から国民まで、すべてが「万事休す」になってしまっている。

預金封鎖しないと本当にギリシャの銀行は崩壊


財源などまったくないから行政もストップしており、刑務所の囚人の食費ですら出てこないということだ。

もうギリシャの刑務所は2008年から劣悪な状況に追い込まれており、職員がいなくなったので機能しない刑務所すらもあるという。

すでに3つの刑務所が使用不可に陥っている。さらに、ひとつの刑務所が囚人が限界まで詰め込まれて暴動寸前の状態になっているとも言われている。

銀行も2012年4月の取り付け騒ぎ以降から、極端に引き出しが制限されていて、「預金封鎖」されている状態に陥っているとも言われている。

実は、預金封鎖しないと本当にギリシャの銀行は崩壊する。

すでに数行が機能不全になって「死んだも同然」になっており、2012年6月7日、欧州委員会はギリシャに対して一部の銀行を早急に「清算」するように迫っている。

早い話が、欧州委員会が「救済を拒否した」ということだ。

小さな銀行だけではなく、業界5位のギリシャ農業銀行もその中に含まれている。

なぜ、欧州委員会は救済しないのか。なぜなら、もう救済する資金はどこにもないからだ。また、何とか救済できたとしても、すぐ次にスペインの崩壊が迫ってきているからだ。

ギリシャの銀行が無秩序な連鎖倒産を引き起こすと、それがきっかけになって、すべての銀行が同時破綻する。

今、それが待ったなしで、「目の前」に迫っているのが今のギリシャの現実だ。

欧州委が一部ギリシャ銀の清算迫る、ATE対象の可能性=EU筋

欧州委員会はギリシャに対し一部の銀行を清算するよう圧力をかけており、国内5位のギリシャ農業(ATE)銀行(AGBr.AT: 株価, 企業情報, レポート)などが含まれる可能性がある。欧州連合(EU)筋が7日、明らかにした。

経営危機に陥ったギリシャ銀の清算は、同国中央銀行の管轄となっている。だが支援に関する規則では、救済コストが余りにも高くつく場合には、欧州委に銀行救済の要請を拒否する権限を付与されており、欧州委は事実上、銀行を清算させる権限を持っているという。

実際にこの権限を活用すれば、危機が深刻化する中で、域内銀行セクターの問題に欧州委が一段と積極的な対策を講じる転換点となる可能性がある。

関係筋によると、スペインやポルトガルの銀行の清算にも同じ権限を活用することがあり得る。

ユーロ札を絶対に手放そうとしないで隠し持つ


もう銀行は信用できない。預金したところで、引き降ろすことすらできない。

無理やり全員で押しかけて取り付け騒ぎを起こすと、その瞬間に、自分たちの預金を飲み込んだまま倒産して消えてしまう。

だから、国が信用できない危機的な状況になると、一刻も早く銀行を見限って、貯金を引き下ろし、現物資産に代えるか、もしくはタンス預金をしておくのがサバイバルになる。

これは、アラブの春が吹き荒れた2011年にアラブでも起きた現象だ。現金は、真っ先に「制限」される。金融機関が預金を飲み込んだまま、事実上シャッターを下ろしてしまうのである。

しかも、そのときに海外に逃げようとしても、現金も現物も持ち出しできないように規制され、違反したら「没収」される。

エジプトでも2011年から国外に現金の持ち出しが制限されて、ゴールドさえも持って行けなくなった。

だから今、このような危機的な状況を受けて、ギリシャ国民は持っているユーロ札を絶対に手放そうとしないで隠し持っている。それが彼らのサバイバルの糧となる。

国が崩壊していくというのは、そういったものに巻き込まれていくということなのである。

万事休す。絶望の淵に追いやられているギリシャ人。

政府と銀行を信用しない生き方を


言うまでもないが、2008年のリーマンショックから始まって、アメリカ・ヨーロッパ・日本の先進国は、すべていつ崩壊してもおかしくない状況に追い込まれている。

2012年6月5日にも、緊急的に電話会議がG7で行われているが、すべての国がギリギリのところで踏みとどまっている以上、さして効果的な対策を打ち出せるはずもない。

ギリシャの銀行は近いうちに次々と破綻していく。問題はスペインの金融不安と、スペインからの現金流出だ。

一度、大きな破滅に向かったら、次もまたリーマン・ショックを彷彿とさせる巨大な危機が押し寄せる可能性もある。

楽観論など、どこにもない。

特に、日本は円高で輸出企業が破綻寸前に陥っており、政治の機能不全や、戦後スキームのシステム疲労、世界最大の国家累積債務も重なって、「突然死」する可能性も依然として続いているのである。

まさか、こんな時代になって、まだ銀行を信用して定期預金などしているようなのんきな人はいないと思う。

どのみち、いつか経済大崩壊するのは見えている。

ギリシャのように、「1ヶ月働いて給料日に給料が振り込まれていない」「銀行に行っても金が下ろせない」「信用のある現金(ユーロやドル)が手に入らない」という状況になる前に、着々と準備しておくことをお薦めする。

まずは、政府と銀行を信用しない生き方をしてほしい。

国が助けてくれるなど、夢にも思わないほうがいい。助けてくれるのは、あなたの家族、あなたの本当の友人だ。敵になるのが、国家であり、行政であり、銀行である。

ギリシャの将来を悲観して死んでいった老人を偲ぶ人たち。
国家破綻に巻き込まれた人はすべて傷ついていく。


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