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2011-12-29

激動の世界はもうスタートしている。独裁者殺しの次は何か


2011年1月にチュニジアで民主化デモが湧き上がり、そこから23年続いたベンアリ独裁政権があっけなく倒されたのを世界は見た。

ベンアリ政権が親米政権だったので、これはオバマ政権にとっては痛手だったと多くのアナリストは判断した。

次にエジプトが火の粉に包まれるようになった。ムバラク大統領は親米政権だったので、世界はアメリカが支援するものだと最初に判断した。


2011年1月から、突如として独裁政権の危機


ムバラク政権はイスラエルの安全保障に非常に重要な役割を果たしていた政権であり、かつ親米を明確に謳っていた国家だった。

イスラエルからも、オバマ政権には「ムバラク政権を崩壊させるべきではない」と忠告が入っていたこともリークされていた。

ユダヤ系のニューズウィークも、「これを放置していれば、オバマはカーターと同じ道を歩むことになる」と脅迫とも言える記事を書いていた。

イスラエルもイギリスもフランスもそうだったが、ムバラク政権はイスラエルのために支援されるべきだと考えていたので、やがてアメリカはムバラク大統領を支援するものだと思っていたフシがある。

ところが、オバマ政権はギリギリまで立場を明確にせず、やがてムバラクを切り捨てるかのように「民主化デモを支持する」と言い始めた。

驚いたのはイスラエルとホスニ・ムバラクだったが、すでに時代の流れは堰き止められず、ムバラク政権はなし崩しに崩壊していき、ついにムバラク政権は2月11日に崩壊していった。

30年間エジプトに君臨していった独裁政権も、チュニジアと同じく終焉はあっけなかった。

そして、この過程でヨルダンにも、イエメンにも、シリアにも、サウジにも、バーレーンにも、片っ端から民主化デモが伝播していき、ついにはリビアにも民主化デモが発生した。

リビアでは2011年2月15日から反政府デモに対して激しい弾圧が始まったが、この2月のカダフィ政権のデモ弾圧の動きは非常に有無を言わさぬ強引で非情なものがあった。

たった10日間で確認されただけでも200名の人間が殺されているが、政府軍は威嚇ではなく殺害のためにデモ隊を撃っており、殺傷能力の高いダムダム弾も使われていた。

リビアの民主化デモが弾圧されるのは時間の問題だったが、そこに民主化を支援するという名目でNATO軍が出てきて、宣戦布告もなくカダフィ政権を攻撃しはじめたのである。

イスラムの「象徴」が次々に抹殺


欧米の猛攻の前にカダフィ政権は粘りに粘って2011年10月20日まで抵抗を試みたが、ついに血まみれになって死んでいくことになった。

この間、2011年5月1日にはアルカイダの象徴だったウサマ・ビンラディンがアメリカ軍に殺害される事件もあった。ビンラディンは独裁者ではないが、イスラム社会にとっては独裁者同様にアラブの「象徴」になっていた人物である。

象徴になる人間が死んだという意味で、独裁者の終わりと非常に近い捉え方をされている。

イエメンのサレハ大統領はテロで暗殺されかかったが、何とか生き残って今に至っている。しかし、もう政権は末期状態で、いつ崩壊してもおかしくない。

あとシリアのアサド大統領は国民を大弾圧しながらいまだ激しい抵抗をしているが、カダフィ大佐が片付いたのだから、今後は非常に不透明になった。

アメリカが攻撃する、攻撃すると言いながら、いまだに態度を保留しているのはイランのアフマディネジャド政権である。イランはアメリカ最後にして最強のイスラム強国である。

ここまでの話をまとめるとこうなる。

チュニジア 1月15日、ベンアリ政権崩壊
エジプト  2月11日、ムバラク政権崩壊
アルカイダ 5月1日、ビンラディン死亡
リビア   10月20日、カダフィ大佐死亡
シリア   アサド政権 弾圧継続
イエメン  サレハ政権 崩壊寸前
イラン   アフマディネジャド政権、経済封鎖

もちろん、シリアもイエメンもイランも、まだ何の決着がついていない以上は、崩壊する前提で物事を見ていると当てが外れる可能性もある。

しかし、こうやって見るとイスラムの「象徴」が次々に抹殺されていることに気がつく。

チュニジア。ベンアリ元大統領。2011年失脚。
エジプト。ムバラク大統領。2011年失脚。
アルカイダ。ウサマ・ビンラディン。2011年死亡。
リビア。カダフィ大佐。2011年死亡。

推測はいくらでもできるが真実は分からない


独裁政権が崩壊したチュニジア・エジプト・リビアでは、次の安定した政権がまだ樹立されておらず、むしろ混乱がいっそう深まっている。

欧米がアラブの象徴を次々と葬っている目的がどこにあるのか、その真意はまだ誰にも見えていないので、多くの分析者たちが行き着く先については口をつぐんでいる。

誰も落とし所がどこなのか、まだ何も分からないから、何も言えずに右往左往しているのである。

親米政権が次々と崩壊していくのを見て、アメリカが「民主化運動を歓迎する」と言っている真意が誰にも分かっていない。

今回の動きはイスラエルを守るためでもない。アメリカが同盟国であるイスラエルを守りたいのであれば、アラブには親米政権があったほうが圧倒的に良いのである。

その親米政権が瓦解するのをアメリカは「歓迎する」と言っているのだから、それがなぜなのか誰もが知りたがっている。もちろん、いろんな想像をすることができる。

本当はイスラエルをつぶしたいのだ、ドル基軸通貨を守りたいのだ、石油利権が欲しいのだ、アラブを再構築したいのだ、中東との関わりを全部つぶしてモンロー主義(相互不干渉主義)に戻りたいのだ、と、山のように推測はできる。

推測はできるが、それが正しいのかどうかはアメリカが謀略を説明してくれない以上は分からないので、全世界の人間ができるのは、ただ起きていることをじっと見ていくことしかない。

新しい「仕掛け」に入っている


2011年に入ってからアメリカとアメリカに追従するNATOの動きを見て分かることは「独裁者狩りをしている」ということである。

ベンアリ、ムバラク、カダフィ、サレハ、アサド、アフマディネジャド。

今のところ、独裁者狩りの対象になっているのはすべてイスラム国家の独裁者なので、さしずめサレハ大統領、アサド大統領、アフマディネジャド大統領がもっとも命の危険にさらされている大統領になる。

イエメン。サレハ大統領。
シリア。アサド大統領。
イラン。アフマディネジャド大統領。
しかし、この独裁者狩りはイスラム国家以外の独裁者にも対象になっているのかどうかは興味深いところだ。

アジアを見廻すと、世界最凶の独裁国家がひとつあった。それは北朝鮮の金正日政権だ。

イスラム国家だけが対象ならば、北朝鮮は生かされ続けることになるし、独裁者を全部刈り取るつもりならば、金正日独裁国家も網に入る。

北朝鮮が延々と生かされ続けている理由は、ここに北朝鮮があることによって、アメリカは武器弾薬を周辺国に売ることができたり、アジアに駐屯して影響力を保てたり、アジアを分割統治することができたりするからだ。

しかし、アメリカは世界各国の親米政権をも見捨て、あれほど血を流して勝ち取ったイラクをも捨て、アフガンにも興味を失って兵を引いている最中である。

ここまで来ると、逆にこれまでの統治スキームをいったんすべて白紙にして、新しい「仕掛け」に入っているようにも見える。

それを象徴するかのように金正日は死んだ。2011年12月19日に発表された金正日の死は唐突であっけない感を抱かせた。

カダフィ大佐が死亡したのが10月20日。ちょうどその2ヶ月後だったので、あまりにも「死のタイミングが良すぎる」ことで、様々な人の憶測を生み出す元になった。

北朝鮮。金正日総書記
そして、さらにはロシアのプーチン首相の独裁はどうなのかという話になるが、盤石だと思われていたプーチンの独裁政治は2011年12月の選挙で、突如として不正が暴かれ、大きなデモに発展して暗雲が漂い始めている。

ロシア・プーチン首相。
来年、プーチン首相がどのような目に遭うのか分からないが、安泰ではなくなったのは確かである。

南米の指導者が次々と癌(ガン)に


今、もうひとつ起きている指導者の異変は、南米の指導者が次々と癌になっていることだろう。

ベネズエラ チャベス大統領
ブラジル ルラ前大統領
アルゼンチン フェルナンデス大統領

ベネズエラのチャベス大統領は大の反米派であり、世界中の反米指導者とネットワークを組んでいた。

しかし、2011年に入ってからチェベスの「反米ネットワーク」の指導者が次々と失脚・殺害されていく上に、今年は本人もまた癌に見舞われた。

自分ばかりではなく、南米の指導者が次々と「癌」になっていくことに、チャベス大統領は不信感を持っている。

南米元首がん続発、米国の仕業?=チャベス氏が陰謀説

南米ベネズエラの反米左派チャベス大統領は28日、南米の指導者にがんが相次いで見つかっていることに関連し、「誰も知らないうちに、(米国が)がんを誘発する技術を開発したとしても、おかしくはない」などと述べ、米国の仕業の可能性があるとの見方を示した。ロイター通信などが伝えた。

チャベス氏は今年6月にがんを告白し、腫瘍摘出手術の後に化学療法を受けた。今年に入ってルラ前ブラジル大統領も咽頭がんで闘病を始めたほか、27日にはアルゼンチンのフェルナンデス大統領も甲状腺がんを公表。チャベス氏は「何とも奇妙で、説明が付かない」と陰謀説を展開した。 
チャベス大統領は、政権を取った瞬間からCIAに転覆されそうになったのを何とか逃れた経緯もあって、最初からまったくアメリカを信用していない。

だから、癌についても何かやられたのではないかという疑念にもなるのだが、もちろんこれを証明することができないので、単なる偶然として片づけるしかない。

ただ、奇妙な符号であることは確かだ。

ベネズエラ・チャベス大統領。
2011年6月、キューバで癌摘出手術。
ブラジル・ルラ前大統領。
2011年10月に喉頭癌発覚。
アルゼンチン・フェルナンデス大統領。
2011年12月27日、甲状腺乳頭癌発覚。

2011年1月から激動が始まった


2011年に入るまで、ムバラク大統領やカダフィ大佐がこのような末路を辿ることを推測していた人間はひとりもいなかった。

誰も予測だにしなかったところで突如として爆発的に起きた動きである。

しかし、もちろん、偶然に崩壊劇が重なったのではない。

チュニジア・ムバラクまで民主化デモを立てて、リビアで民主化デモが弾圧されそうになったら突如としてNATOが飛び出して前面で戦うのだから、何かしらの意図が裏にある。

そして、ベンアリ、ムバラク、ビンラディン、カダフィ……と、狙いを定めながら、確実につぶしていっている。

カダフィ大佐があまりにも頑強に抵抗するから2月から10月までの間が空いているのだが、この「確実につぶしている」ところが、すでに意図的な動きであって、つぶすことに目的があったことになる。

北アフリカ・中東では、独裁政権が続いていることによって逆に政情が安定していたという皮肉な局面もあったし、それゆえにアメリカが命令すればそれなりに従っていたというのも事実だった。

それを吹き飛ばして、不安定化させるのだから、中東を不安定化させても構わない、あるいは混乱の中で反米政権が出ても構わないと考えていることになる。その先に何があるのだろうか。

押さえておきたいのは、2011年1月からもう激動が始まっているということである。世界をリードするはずの大国も軒並み疲弊している。

日本   大震災・放射能事故で崩壊寸前
欧州   ユーロ危機で先行き不明
イギリス 戦後最悪の経済危機の最中
アメリカ 戦後最悪の累積債務・ドル危機
中国   経済情勢悪化。不動産バブル崩壊危機
中東   民主化デモで地域の不安定化加速
南米   指導者の相次ぐ癌(がん)
ロシア  プーチン政権に対するデモ

どこがどのように弾けてグローバル経済崩壊=世界同時破綻に向かってもおかしくない。

戦後から続いてきた支配の構図が根こそぎ変わろうとしているのだから、これから起きることは想像を超えた世界になる。

人のことはどうでもいい。あなたはこの世界で生き残れるだろうか?


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